「確かなもの」を探して

「人のものになりあうことだけが幸福への道だ」

ティファニーで朝食を、のセリフである。

 

どことなく共感できる言葉だ。

僕のきみ、きみの僕。

心のつながり、血のつながり。

そのつながりは、どれも美しく、そしてかけがえのないものだと思う。

 

だけど、そのつながりは「確かなもの」ではない。

心はいつすれ違うか分からないし、血のつながりは科学的であっても心と心のつながりとはまた別な話だ。

 

結局のところ、人は皆、孤独なのである。

孤独とは、感情ではなく事実だ。

 

それでも、僕らは心のどこかで「確かなもの」を探している。

だから、焦ったり、ジタバタしたり。

孤独なのは自分だけだ、と思いこんだり、寂しさや心細さに突き動かされる自分自身に戸惑ったりする。

 

「確かなもの」は、いまここにいる自分しかない。

そう事実を受け止められたとき、はじめて僕らは人と対等で、まっすぐな関係を築けるのではないか。

 

「確かなもの」を探しさまよう傍ら、そんな理想も頭に浮かぶ。

人間、実に生きづらいものである。